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エイプリルフールのマナーを最悪の事件から考える [ウンチク]

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エイプリルフールでは嘘をついてよい時間が限定されているという説があります。また、エイプリルフールであったとしても、こういう嘘は避けた方が良いというものもありますので、今回はそのことについて記載してみたいと思います。

時間に制限があるのはイングランドだけ


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4月1日の午前中のみが嘘をついて良い時間帯だという説があります。しかしこれはイングランドに限った話であり、世界的には一日中、どの時間であっても嘘をついても大丈夫です。

午前中という限定された時間帯を起源とする説も、エイプリルフールのそもそもの発祥と同様に明らかではないようです。


エイプリルフールのマナー


毎年4月1日前後頃から、日本インターネットエイプリルフール協会という団体が活動をし始めています。そこが打ち出しているエイプリルフールのマナーによると、以下の項目が記載されています。

・すべての人が笑顔になるようなふるまいを
・ネタばらしはすぐに行いましょう
・その嘘が本当かどうか見分けのつかないままにするのはやめましょう
・混乱を招く恐れのある「震災」や「事故」に関する話題はやめましょう
・年に一度のエイプリルフールを気持ちよく過ごしましょう

以前に書いた玉石混淆の記事と同様に、昨今のインターネットだけに限らず、現代では情報が大量に流れてくるので、人が何が嘘で何が本当の情報であるかを見極めるためにはそれなりの労力を伴います。

なので、その嘘をずっと信じ続けることによってその人が不利益を被るようなことはあってはなりません。

その嘘が嘘であるのだと言われた側がすぐに、ないしはそんなに経たない内に気付くことができるような内容で、かつ嘘をつかれた側も笑いとして受け止めることが可能な範囲のジョークであったり、その嘘によって誰かが傷ついたり不快に思ったりしないかどうかを配慮することは、最低限、ジョークを言う側に求められるマナーになるでしょう。


最悪だったジョークの例


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びっくりすることに、2006年の調査によると、世界各国のエイプリルフールの嘘のうちの約32%が宇宙人にまつわる嘘だったようです。

2006年当時では、当然宇宙人なんてものの信憑性は全くないような時代なので、このときに関しては誰も信用する人もいない上、それによって実害を被る人がいないので、他愛もないジョークとして心地よく人々には受け入れられたようです。

しかし、1938年にアメリカで放送されたラジオ番組「宇宙戦争」では、巧みな番組構成により、本当に火星人が地球に攻め込んできたと人々を震撼させ、パニックを引き起こしたという説があります。

さらに、これを真似したエクアドルの国営放送局が、翌年の1939年に上記の火星人襲来をそっくりそのままラジオ番組で流したということがありました。

エクアドルの文化として、当時はエイプリルフールという日の認知度が10%程度だったとのことで、聴衆者がエイプリルフールのジョークに慣れていなかったこともあり、人々が恐怖に駆られて道路に飛び出し、街が大混乱に巻き込まれてしまいます。

慌ててこれが嘘であることを公表すると、今度は市民が怒って暴徒化して、ラジオ局や新聞社を襲撃し、建物までもが焼き払われたようです。

この暴動により、番組出演者6人を含む21人が殺害され、プロデューサーが逮捕されるなど、エイプリルフール史上の最悪な事件の1つとされてしまっています。


改めて考えるエイプリルフールのマナー


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まず第一に、人を不安にさせたり恐怖に陥れたりといった、ネガティブな面の感情を爆発させるようなジョークは、ジョークという域を逸脱しているということを嘘をつく側はしっかりと認識しておくべきでしょう。

また、人が何かを面白いと思うかどうかというのは、その人自身に依存する傾向があります。

例えばバラエティのお笑い番組にはコンビの相方をバカにするようなことを言って笑いを取るということは日常茶飯事ではあり、そこが面白くてお笑いを見るという人は大変多くいます。

しかし、このやり取りを子どもが真似していじめを助長するからといってPTAから苦情の連絡が来るといったことはよく聞く話です。つまりPTAにとっては、仕掛ける側が面白いと思ってやっていることが不快でたまらないというわけです。

火星人襲来の嘘にしたって、仕掛ける側は面白いと思って実行していたはずです。しかしそれが人々の怒りや不安を爆発させ、死者が出るまでに至ってしまっています。

このことから学ぶに、まずエイプリルフールとはいえ、嘘をつくときには不特定多数を相手取った形で行ってはならないということです。

また、嘘をつく対象が嘘に耐えられる人間性を持ち合わせているかどうかや、その嘘によって怒りや不安といった感情が湧きあがらないかどうかを見極め、受け手が受け入れられる範囲の嘘をつくことがマナーだと言えるでしょう。

何気なく冗談だと思って言ったことが原因で、二者間・三者間の関係がこじれるというのはよく聞く話です。こういったことがあるからこそ、エイプリルフールだからと言っても、節度のある嘘をつくという姿勢が、嘘をつく側に求められてくるはずです。


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